はじめに:あなたの建物は「健康」ですか?構造モニタリングの重要性
私たちが定期的に健康診断を受けて体の状態をチェックするように、建物にもその「健康状態」を把握するための診断が不可欠です。特に、地震という自然現象と常に隣り合わせにある日本では、建物の構造的な健全性を保つことは、単なるメンテナンスの問題ではなく、そこに住まう人々や事業の安全と継続性を守るための根幹と言えます。
私たちアルキテック株式会社は、建築構造と建築環境の専門家集団です。建物の安全性を客観的なデータに基づいて評価し、資産価値を守り高める「構造ヘルスモニタリング」は、私たちの事業の中核をなす重要な技術分野です。この技術がどのように生まれ、進化し、そして私たちの未来をどう変えていくのか。専門家の視点から、その歩みと可能性を分かりやすく紐解いていきます。
1. 黎明期:なぜ建物に「定期健診」が必要になったのか
1.1 震災が変えた常識:1981年「新耐震基準」という転換点
建物の健全性を継続的に監視するという考え方が広く認識されるようになった背景には、日本の建築史における大きな転換点があります。それが、1981年(昭和56年)6月1日に施行された「新耐震基準」です。
それ以前の「旧耐震基準」は、震度5強程度の地震で建物が倒壊しないことを目標としていました。しかし、阪神・淡路大震災などの大規模な地震災害では、この旧基準で設計された建物に大きな被害が集中したという事実があります。この教訓から、新耐震基準では「震度6強から7の地震でも倒壊・崩壊しないこと」が求められるようになり、建物の安全性に対する社会的な要求レベルが根本から引き上げられました。さらに2000年には木造住宅の基準が強化され、地盤調査の事実上の義務化や、接合部の金物使用、耐力壁のバランスの良い配置が規定されるなど、基準は時代と共に進化を続けています。
この1981年の法改正は、単なる技術的な更新以上の意味を持ちました。それは、日本国内の建物を「新耐震基準以前」と「以後」という二つのカテゴリーに明確に分けることになり、特に旧基準の建物の安全性をどう評価し、対策を講じるかという「耐震診断」の市場を生み出す大きなきっかけとなったのです。これにより、建物の安全性を客観的に評価する必要性が社会的に定着し、より高度なモニタリング技術が求められる土壌が形成されました。
1.2 目視点検の限界と新たなニーズ
従来、建物の健全性評価は、専門家による定期的な目視点検や、部分的な非破壊検査に依存していました。しかし、これらの手法には限界があります。まず、検査はあくまで「点」の評価であり、地震発生時のような動的な挙動や、日々の微細な変化を捉えることはできません。また、壁や天井の仕上げ材に隠れた構造体の内部で生じている微細な亀裂や劣化を発見することは極めて困難です。
この課題をさらに浮き彫りにしたのが、企業活動におけるBCP(事業継続計画)の重要性の高まりです。大地震の後、企業にとって最も重要な問いは「この建物に再び入って、事業を再開できるのか?」という点です。専門家による詳細な目視調査には数日から数週間を要することもあり、その間の事業停止は莫大な経済的損失につながります。この「判断の迅速化」という経済的な要請が、従来の点検手法の限界を補い、リアルタイムで建物の安全性を評価できる技術、すなわち構造ヘルスモニタリングへの強い需要を生み出す原動力となったのです。技術は、単なる安全確保のツールから、企業の存続を支える経営ツールへとその役割を広げていきました。
2. 技術の進化:建物の「脈拍」を測るテクノロジーの歩み
2.1 構造ヘルスモニタリング(SHM)の基本構成
構造ヘルスモニタリング(SHM: Structural Health Monitoring)は、人間の健康診断に例えると非常に分かりやすいでしょう。そのシステムは、主にセンサー、データ収集システム、解析・可視化システムという3つの要素で構成されています。
- センサー(感覚器): 建物の「脈拍」や「体温」を測る役割を担います。地震時の揺れを捉える「加速度センサー」、部材の伸び縮み(歪み)を計測する「歪みゲージ」、そして電磁ノイズに強く長距離の計測に適した「光ファイバーセンサー」などが代表的です。
- データ収集システム(神経系): センサーが計測したアナログな物理量をデジタルデータに変換し、記録・伝送するシステムです。
- 解析・可視化システム(脳): 収集された膨大なデータを解析し、建物の健全性に関わる異常を検知します。そして、その結果を専門家でなくても理解できる形(グラフや警告表示など)で提示します。
これらの要素が一体となって機能することで、建物の状態を24時間365日、リアルタイムで見守ることが可能になります。
2.2 航空宇宙から建築へ:異分野で磨かれた技術
実は、構造ヘルスモニタリングという概念は、もともと航空宇宙や機械工学の分野で発展した技術です。航空機の翼やエンジンなど、わずかな損傷が致命的な事故につながる部品の状態を常時監視し、定期点検から状態基準保全(Condition-Based Maintenance)へと移行させることで、安全性と経済性を両立させるために開発されました。
振動数の変化から剛性の低下を推定するなど、その基本原理は建築物への応用と共通しています。しかし、航空機のような高価で精密なシステムと、巨大で複雑な建築物とでは、コストと規模の面で大きな隔たりがありました。建築分野でこの技術が普及する転機となったのは、スマートフォンなどに使われるMEMS(微小電子機械システム)加速度計のような、小型で安価なセンサーが大量生産されるようになったことです。さらに、センサーを無線でつなぐIoT技術の発展が、建物全体に多数のセンサーを張り巡らせる際の配線コストと複雑さを劇的に低減させました。これにより、航空宇宙分野で培われた高度な監視技術が、ようやく建築という広大なフィールドで花開く準備が整ったのです。
3. 現代の標準技術:国内外の先進事例に学ぶ
3.1 日本の多様な取り組み:BCPから社会インフラの予防保全まで
現在、日本の大手建設会社やメーカーは、BCPの要請に応えるための実用的なSHMシステムを数多く提供しています。これらは、大地震発生直後に建物の「声」を聞き、迅速な意思決定を支援する強力なツールです。
- 大林組の「建物地震被災度即時推定システム」: 建物の最下層と最上層の2点にセンサーを設置するだけで、構造モデルとの連携により全階の揺れを推定し、設置コストを従来の約半分に削減しました (https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20230302_1.html)。
- 富士電機と日建設計の「NSmos」: 高精度な感振センサーと構造解析技術を組み合わせ、地震発生後わずか1~2分で被災度を自動判定します。熊本市役所本庁舎などへの導入実績があります (https://www.fujielectric.co.jp/about/example/detail/solution_structural-health-monitoring-system.html)。
- NTTファシリティーズの「揺れモニ®」: 理論モデルに頼らず、建物全階にセンサーを設置して実際の揺れを直接計測することで、信頼性の高い評価を実現しています (https://www.ntt-f.co.jp/service/building/yuremoni/)。
- 清水建設の「安震モニタリングSP」: 地震の揺れの収束後、わずか1分程度で建物の最大変形角を基準に4段階で高精度に評価します (https://www.shimz.co.jp/solution/tech174/)。
- 竹中工務店の「免震あんしんサポートサービス™」: 特に免震建物を対象とし、地震時の健全度推定だけでなく、日常時から免震装置の変形を遠隔監視します (https://www.takenaka.co.jp/news/2022/01/02/)。
- 大成建設の「測震ナビ®」: 高性能な加速度センサーで揺れを捉え、数分で建物の健全性を簡易評価し、クラウドを通じて遠隔地からも確認できます (https://www.taisei-techsolu.jp/solution/ct_earthquake/post_189.html)。
- 西松建設の構造ヘルスモニタリングシステム: 地震時の計測データから建物の挙動を再現する解析モデルを自動推定できるシステムを開発し、自社の事務所ビルで運用しています (https://www.nishimatsu.co.jp/news/2024/post_125.html)。
- 戸田建設と富士電機の共同研究: 低コストで高性能な振動計測センサーを開発し、技術研究所にある実物大の試験建物で検証を進めています (https://ken-it.world/it/2012/06/structural-monitoring.html)。
- 安藤ハザマの「スマートセンサによる構造ヘルスモニタリング技術」: 地震時の応答値から建物の被害を即時判定し、BCPを支援します (https://www.ad-hzm.co.jp/solution/disaster/detail_09/)。
- 五洋建設の「工事用仮設エレベータモニタリングシステム」: 建設現場の仮設エレベータの稼働状況をリアルタイムで監視し、業務効率向上に貢献しています (https://digital-construction.jp/news/2302)。
- 鹿島建設の実績: 2011年の東日本大震災では、東京都心のビルで震度5強を観測し、システムからのデータに基づき無被害であることを確認しました ((https://medium.com/kenchikutouron/%E6%A7%8B%E9%80%A0%E8%A8%AD%E8%A8%88%E8%80%85%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%BF%E3%81%9F%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0-c3a775fb0e25))。
これらのシステムは、「安全・継続使用可」「注意」「危険・避難」といった分かりやすい判定結果を迅速に提供することで、管理者が混乱の中で的確な初動対応を取ることを可能にします。
また、この技術の応用範囲は個々の建物を超え、社会インフラ全体へと広がっています。国土交通省は、老朽化が進む橋梁やトンネル、空港、港湾施設といった多様なインフラの維持管理にモニタリング技術の導入を推進しています (https://www.mlit.go.jp/common/001016268.pdf)。特に、光ファイバーセンサーは電磁ノイズに強く長距離の計測に適しているため、橋梁のPCケーブルの張力監視やトンネル内壁のひび割れ検出など、多様なインフラで活用されています (https://www.oki.com/jp/event/mente/2021semi/optical_fibersensor.pdf)。さらに、インフラの「部品」に焦点を当てた先進的な取り組みも始まっています。
- 豊橋技術科学大学とトーヨーメタルなどが開発した「TenSense」: 橋梁などのボルトの緩みを、電源・通信機能付きのセンサーで遠隔監視するシステムで、笹子トンネルの天井板落下事故のような悲劇を防ぐ技術として期待されています (https://shingi.jst.go.jp/pdf/2021/2021_tut_2.pdf)。
- 星和電機、ネクスコ東日本エンジニアリング、東京理科大学が共同開発したシステム: 道路情報板の支柱の揺れを常時監視し、アンカーボルトの破断や溶接部の亀裂といった倒壊につながる異常を早期に発見します (https://www.seiwa.co.jp/news/2024_020477.html)。
- 千葉港での桟橋モニタリング: 1997年から千葉港の桟橋において、コンクリートや鉄筋に応力センサーを設置し、ひずみ量の経年変化を長期的にモニタリングしています (https://www.mlit.go.jp/common/001016268.pdf)。
- JR東日本など: 新幹線の軌道を監視する「ドクターイエロー」のように、移動車両からの軌道監視や、横浜ベイブリッジのような長大橋での地震・応答計測を通じて、設計の検証や補強に役立てています ((https://committees.jsce.or.jp/zenkoku/system/files/%E7%A0%9402_%E6%A4%9C%E8%A8%8E%E4%BC%9A%E8%B3%87%E6%96%99.pdf))。
3.2 世界に広がるSHM:文化遺産からスマートインフラまで
構造ヘルスモニタリングは、日本だけでなく世界中でその重要性が認識され、特に歴史的価値の高い建造物の保全や、社会の基盤となる大規模インフラの安全確保に活用されています。
- 歴史的建造物の保護(欧州): フランス・パリのノートルダム大聖堂では、鐘楼や丸天井の振動特性を把握するためのモニタリングが実施されています (https://www.osmos.jp/results/overseas/785/)。また、2019年の火災後には、事前に3Dレーザースキャナーで取得されていた高精度の点群データが、焼失した尖塔や屋根の正確な復元に大きく貢献しました (https://ken-it.world/it/2019/04/leica-scanned-norte-dame.html)。同様の技術は、イタリア・ボローニャのガリセンダの塔など、傾きや劣化が懸念される他の歴史的建造物の保護にも応用されています (https://www.osmos.jp/results/overseas/785/)。パリのエッフェル塔も、温度変化による伸縮や風、来場者の影響を把握するため、20年以上にわたる長期モニタリングが行われています (https://www.osmos.jp/results/overseas/278/)。
- 巨大インフラの安全確保: アメリカでは、2007年に発生したミネアポリスのI-35W橋崩落事故を教訓に、再建されたセント・アンソニー・フォールズ橋に多数のセンサーが埋め込まれ、常時監視が行われています (https://www.pwri.go.jp/jpn/results/report/report-seika/2010/pdf/sei-24.pdf)。フランスでは、ミヨー高架橋やオーステルリッツ高架橋、スタッド・ド・フランス(大型スタジアム)など、国の象徴的な建造物でも長期的なモニタリングが活用されています (https://www.osmos.jp/results/sort/overseas/)。また、交通量の多いアルプスのモンブラン・トンネル(フランス・イタリア間)でも、経年劣化を監視するためのモニタリングが実施されています (https://www.osmos.jp/results/overseas/807/)。
- 欧州の鉄道橋: 欧州では30万基ある鉄道橋の35%が築100年を超えており、老朽化した橋梁の健全性を評価するため、AIやデジタルツインを活用した革新的なSHM技術の開発が進められています ((https://www.researchgate.net/publication/319280857_Railway_bridge_structural_health_monitoring_and_fault_detection_State-of-the-art_methods_and_future_challenges))。
- 台湾高速鉄道の防災システム: 台湾を縦断する高速鉄道では、地震、強風、豪雨、地すべりなどを常時検知する災害警報システムが導入され、リアルタイムで列車と運行制御センターに警告を発し、安全な運行を確保しています (https://tdiscovery.thsrc.com.tw/exhibition_jp.html)。
- 衛星技術による広域モニタリング: 地上のセンサーだけでなく、宇宙からの監視も実用化されています。例えば、インドネシアのダムでは、日本の衛星データ解析サービスを活用し、ダム堤体や周辺の地盤変動を広域的に監視することで、維持管理の効率化やリスクの早期把握に役立てています (https://synspective.com/jp/usecase/2021/ldm3/)。
- スマートシティへの応用: これらのモニタリング技術は、都市全体のインフラを最適化する「スマートシティ」構想の中核技術としても位置づけられています。特に中国では、経済成長に伴う大規模なインフラ建設を背景に、2016年に交通運輸部が大規模道路橋梁へのSHMシステム設置を義務付ける技術基準を公表するなど、国家レベルで導入が進んでいます (https://www.frontiersin.org/journals/built-environment/articles/10.3389/fbuil.2018.00010/full)。
3.3 データが語る真実:専門家による解析の重要性
これらの自動判定システムが示す「赤信号」や「黄信号」は、あくまで一次診断です。その警告の裏にある、加速度の波形データ、層間変形角の推移、固有周期の変化といった生データには、建物の状態を示す膨大な情報が詰まっています。このデータを正確に読み解き、建物の未来にとって最善の対策を導き出すためには、構造設計の深い知見を持つ専門家の「二次診断」が不可欠です。
ここに、私たちアルキテックの専門性が活かされます。私たちは、博士号を持つ研究者や構造設計一級建築士といった高度な専門家集団であり、多種多様な高度解析ソフトウェアを駆使する技術力を有しています。SHMシステムから得られた実測データを、その建物の構造計算書や設計図と照合し、独自の解析モデルに入力することで、どの部材にどの程度の負荷がかかったのか、損傷の可能性があるのはどの部分かをピンポイントで特定できます。
SHM技術は構造エンジニアの仕事を奪うのではなく、むしろその専門性を高めるものです。従来、時間と手間をかけて行っていた被害調査を、データに基づいた外科手術のような精密な診断へと進化させます。これにより、より迅速で効率的、かつ経済的な補修・補強計画の立案が可能となり、建物の所有者にとって大きなメリットをもたらすのです。
4. 次なる地平:AI・IoT・デジタルツインが拓く「予知保全」の未来
SHM技術は今、IoT、デジタルツイン、AIという三つの強力なテクノロジーと融合し、これまでの常識を覆す新たなステージへと進化しようとしています。
4.1 すべてがつながる時代:IoTとクラウドがもたらす変革
IoT(モノのインターネット)技術の進化により、無数の無線センサーを安価に設置し、それらのデータをクラウド上で統合管理することが可能になりました。これにより、SHMは個々の建物を監視するソリューションから、不動産ポートフォリオ全体や都市全体のインフラを遠隔で一元管理するプラットフォームへと進化しています。
4.2 建物の「双子」を創る:デジタルツインという究極のシミュレーター
デジタルツインとは、現実空間に存在する建物を、センサーデータと連携させることで、仮想空間上に寸分違わぬ「デジタルの双子」として再現する技術です。その起源は、1970年のアポロ13号の事故の際、NASAが地上に用意した実物大のシミュレーター(ペアリング・テクノロジー)で修理方法を検証した逸話にまで遡ります。
BIMのような静的な3Dモデルとは異なり、デジタルツインはIoTセンサーから送られてくるリアルタイムデータによって常に更新され続ける「生きているモデル」です。これを使えば、「屋上に大型設備を増設した場合、構造体にどのような影響が出るか」「先日の地震で観測された揺れをこの建物が受けたらどうなるか」といった、現実世界では不可能なシミュレーションを精密に行うことができます。
4.3 AIによる未来予測:「予知保全」の実現
デジタルツインの真価を最大限に引き出すのが、AI(人工知能)です。AIは、長期間にわたって蓄積された膨大なセンサーデータを学習・分析し、人間では到底気づけないような微細な劣化の兆候や異常なパターンの変化を検出します。
これにより、建物のメンテナンスは、損傷が起きてから対応する「事後保全」や、地震後に状態を評価する「状態基準保全」から、損傷が発生する前にその兆候を捉えて対策を講じる「予知保전」へと進化します。例えば、「7階のB柱の振動特性が過去半年で0.5%変化しており、これは材料疲労の初期段階のパターンと一致します。3ヶ月以内の詳細点検を推奨します」といった、未来を予測したアラートが可能になるのです。
建物の維持管理戦略の進化
| ストラテジー | タイミング | データソース | 目的 |
| 事後保全 | 故障・損傷後(対処的) | 目視点検、手動検査 | 損傷の修復 |
| 状態基準保全 | イベント発生後、状態に応じて(診断的) | センサーデータ、リアルタイム警報 | 損傷の評価、修繕の最適化 |
| 予知保全 | 故障・損傷前(予測的) | 継続的なIoTデータ、AI解析 | 損傷の予防、資産寿命と性能の最大化 |
5. アルキテックと築く、レジリエントでサステナブルな未来
5.1 資産価値を守り、高める技術
構造ヘルスモニタリングは、もはや単なる防災ツールではありません。建物の寿命を延ばし、ライフサイクルコストを削減し、早期の建て替えによる資源の浪費を防ぐことで、資産価値を長期的に維持・向上させるための重要な経営ツールです。建物の長寿命化は、それ自体が環境負荷を低減するサステナブルな活動であり、企業のESG経営にも直結します。世界のSHM市場が2032年までに年平均13.2%で成長し、56.9億ドル規模に達すると予測されていることからも、その重要性への期待の高さがうかがえます。
5.2 「エンジニアリングパートナー」として未来を共創する
IoTとAIによって進化するSHM技術は、建物を静的な構造物から、自らの健康状態を語る動的なインテリジェントシステムへと変貌させています。この変化は、建築のあり方を根本から変える大きな可能性を秘めています。
この技術革新の時代において、私たちアルキテックは「確かな技術と柔軟な発想で、建築設計の新たな可能性を広げる」というミッションを掲げています。最新のテクノロジーを駆使して、安全・安心を備えた新しい時代の建築を生み出すこと。それが私たちの目指す未来です。
私たちは単なる設計者ではなく、お客様の「エンジニアリングパートナー」です。インテリジェントな建物が発する複雑なデータを、専門家としての知見をもって「賢明な判断」へと翻訳し、お客様の資産のレジリエンス(強靭性)、サステナビリティ(持続可能性)、そして長期的な価値を最大化するために伴走します。技術と専門知識を融合させ、より安全で豊かな建築の未来を皆様と共に創造していくことをお約束します。






