コンピュテーショナルデザイン

コンピュテーショナルデザイン

■はじめに

近年建築業界でデジタル技術を駆使してデザインを行う「コンピュテーショナルデザイン」が注目されています。数多くあるソフトの中でも、特にRhinoceros+Grasshopperを用いた設計例が大変増えてきており、Grasshopper上で動作するKarambaというプラグインを用いて構造解析の最適化まで行っているものもあります。

■Rhino+Grasshopperとは

RhinocerosはRobert McNeel & Associatesによって開発されている3Dモデリングソフトです。そのデザインの自由度の高さから建築分野だけでなく、機械設計、プロダクトデザインといった幅広い分野で使用されています。

 

Grasshopperは、Rhinoceros上で動作するプラグインのモデリング支援ツールで、膨大な量のデータ処理が可能となっており、パラメトリックデザインに長けています。

 

Karambaは、Grasshopper上で動作するFEM解析のプラグインです。Rhinoで作成した意匠モデルをシームレスに構造解析に持っていくことが可能なツールとなっており、パラメーターに応じて構造計算の応力を出力し、可視化することができます。

 

続いては、Rhino+Grasshopperの設計への応用方法をカーポートの設計例を参考に紹介していきたいと思います。

1.パラメトリックスタディ

Grasshopperではモデルを作成する際に、複数のパラメーターを用意して、アルゴリズムを組み立てながら行います。それにより、パラメーターの変更に合わせて、モデルも変更することが可能となり、初期段階であらゆる寸法の変更にその場で対応することが可能となります。

2.解析モデルに変換

作成したモデルは、構造解析もGrasshopper上で行うため、ファイルを書き出して他の解析ソフトで解析を行う必要がありません。アルゴリズムを組むことによって、一瞬で解析用のモデルへと変換することが可能となります。

3.解析実行

解析用モデルに断面形状や荷重の入力などを行い、Karambaで解析を実行することで、各部材の応力の計算結果の出力が行えます。また、Rhino上のモデルに応力図の表示ができるため、最大応力の発生する位置などを一瞬で確認できます。

4.各部材の断面算定

解析を実行する際に与えた断面形状から、断面性能を導くことによって、断面算定まで行うことも可能となります。下の図は、各部材で最大応力の発生する箇所の断面性能とその応力値から断面算定まで行い、検定比1.0に収まるか検討しているものとなっております。

5.最適化

カーポートの大梁の断面をできるだけ小さくするために、大梁に発生する最大曲げモーメントを最小限に抑えるための柱の位置の最適化を行いました。このように手計算だと膨大な時間を必要としますが、コンピューターを用いることによって一瞬で行えるようになります。

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